今年のフォーラム
  
津原泰水講演抄録new!
 KEiKO・萬桂講演抄録new!
 
いわみコーラス&牧ダニはねそ踊りnew!
 新しい世界に飛び立った尾崎翠new!
 尾崎翠と安部公房new!
 
尾崎翠&ジオパーク・ツアーnew!
 ゲストを囲んで懇親会new!

   
プログラム
    翠文学&浦富海岸ジオツアー案内
 ゲスト・プロフィル
  
津原泰水の新発見
 
津原泰水の講演
 KEiKO・萬桂の講演
 
いわみコーラス
 
牧谷のはねそ踊りn
 
賛助会員募
 
宿舎案内

過去のフォーラム
  
2010年報告記
 
  2009年報告記
 
 2008年報告記
  
2007年報告記
     2006年報告記
     2005年報告記
  2004年報告記
  2003年報告記
  2002年報告記
     2001年報告記

映画
書籍紹介   『こほろぎ嬢』
  『第七官界彷徨』

資料
 稲垣眞美代理人の請求書と回答書)new!
 尾崎翠書簡の不正流出問題(記者発表資料)new!
 オークションにかけられた尾崎翠の流出書簡(その1)new!
 オークションにかけられた尾崎翠の流出書簡(その2)new!
 尾崎翠の新発見資料を公開展示
 尾崎翠の新資料
 尾崎翠書簡

書籍紹介
『尾崎翠フォーラム報告集2011』書評new! 
『尾崎翠フォーラム報告集2011』案内new! 
『尾崎翠』(県立図書館ブックレット)new!
 
『尾崎翠フォーラム報告集2010』書評
 
『尾崎翠フォーラム報告集2010』案内
 『琉璃玉の耳輪』(津原泰水)書評
 『尾崎翠』(川崎賢子)
 
『尾崎翠フォーラム報告集』バックナンバー
 尾崎翠関連書籍

関連情報
 
NHK尾崎翠朗読シアターnew!
 
KEiKO・萬桂「第七官界彷徨」挿絵原画展
 
「第七官界彷徨」復刻連載に寄せて
 
『日本海新聞』に「第七官界彷徨」復刻連載
 尾崎翠関連情報

  リンク集

  編集後記new! 

 

 

今年のフォーラム

Osaki Midori Forum in Tottori

      
  
尾崎翠フォーラム in 鳥取2011
         =ご案内=

〔日 時〕  7月10日(日)
〔場 所〕  岩美町中央公民館(JR岩美駅5分)
〔参加費〕 前売り券  2,000円

     津原泰水さんの講演
◆「琉璃玉から第七官界へ」に寄せて◆

                        土井淑平

 「尾崎翠の代表作は何か?」と聞かれたなら、わたしは即
座に @「第七官界彷徨」 A「琉璃玉の耳輪」 B「映画漫想」
と答える。 第四回尾崎翠フォーラムのゲストとしてカナダか
ら招いた、リヴィア・モネ教授とトマス・ラマル教授も同意見で、
上記三作の翻訳と評論の英訳を準備中と聞き、わが意を得
た思いであった。
 「第七官界彷徨」は尾崎翠の読者にとってあまりにも有名
で、尾崎翠についての研究も 「第七官界彷徨」 と 「歩行」「
こほろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」 など関連の短編を主
たる対象としてきた。 ようやく、 わたしたちのフォーラムで
リヴィア・モネ教授や活動弁士の澤登翠さんが 「映画漫想」
を取り上げ、この比類のない出色の映画批評に鋭い考察を
加えて、尾崎翠の奥深い世界に目を開かせた。
 一方、尾崎翠が一九二七年(昭和2) に阪東妻三郎プロダ
クションの懸賞に応募した映画脚本 「琉璃玉の耳輪」 につい
ては、 翠研究者の森澤夕子さんによる先駆的な論考をわず
かな例外として、ほとんど考察らしい考察がなかったのも不思
議であったが、 昨年九月に幻想小説作家の津原泰水さんが
尾崎翠の映画脚本を原案に、探偵小説の大作『琉璃玉の耳
輪』を刊行した。 この新著は発売と同時に爆発的に売れて 、
すぐさま河出書房新社が重版を決定するなど、新たな尾崎翠
ブームを巻き起こしつつある。
 もともと、尾崎翠の「琉璃玉の耳輪」は探偵物の体裁を取り、
主人公の女探偵が黒いベールを被った謎の貴婦人から、琉
璃玉の耳輪をつけているという手掛かりだけで、中国人の三
姉妹の行方の探索を依頼され、男装して名前を変え横浜の阿
片窟など各地を訪ね歩いて、ついに三姉妹の行方を突き止め
る、という追っかけと活劇の魅力をたっぷり含んだ、 ストーリー
性とエンターテインメント性の強いアクション ・ ドラマであって、
「第七官界彷徨」の世界に親しんだ読者には意外な印象を与
える作品である。
 津原泰水さんの『琉璃玉の耳輪』は、 尾崎翠の脚本の枠組
みと精神をしっかりと踏まえ、 新たな人物や展開を大幅に書
き加えて、 翠のまぼろしの脚本をあざやかに現代によみがえ
らせた。表紙カバーをめくると、 時代背景の昭和初頭の横浜
南京町の風景にはっと目を奪われるが、言葉や文体も現代用
語や軽薄短小な作風に妥協せず、あえて難解な旧字体を使用
してそれにルビを振り、 硬質かつ重厚な探偵小説に仕立て上
げている。 さすが尾崎翠を深く読み込み、 構想から十年の歳
月をかけて書き上げた大作にふさわしく、 「第七官界彷徨」 の
パロデイとして町子、一助、二助、三五郎を端役として登場させ、
ひねりを効かせているのも翠ファンには心憎いところだ。
 津原版『琉璃玉の耳輪』の新機軸は、新たな登場人物の創
出や意外なストーリーの展開など多々あるが、 なかでも印象
的なのは最後のエピローグである。そこで琉璃玉をもつ三姉
妹の父親の素性が、 原作にないエプスタイン博士ともども核
開発にかかわる科学者だったと明かされ、横浜南京町の阿片
窟からヒロシマやナガサキに象徴される核の時代の幕開けへ
と読者を導く仕掛けである。 この探偵小説が想定している昭
和初頭から七〇余年後、その核の時代のもう一つの重大な帰
結として、 わたしたちは福島原発の巨大事故による未曾有の
放射能汚染に直面しているが、 これは奇しくも津原版の琉璃
玉の大爆発といえないだろうか。
 津原泰水さんは一九八九年、少女小説作家としてデビュー、
怪奇幻想小説・探偵小説・SF小説を多数執筆し、 二〇〇六
年の自伝的音楽小説 『ブラバン』 はベストセラーになった。
このたびの『琉璃玉の耳輪』も大好評で、尾崎翠の読者層を
一気に広げ、そのあおりで、尾崎翠の映画脚本「琉璃玉の耳
輪」を収録した筑摩書房の 『定本 尾崎翠全集』 下巻まで売
れている、という話には驚かざるを得ない。 尾崎翠に造詣の
深い津原泰水さんだけに、今年のフォーラムの講演 「琉璃玉
から第七官界へ」にいまから胸が躍る思いである。
                            (尾崎翠フォーラム実行委員会代表)

 

(お問い合せ・参加申込み先)

  尾崎翠フォーラム実行委員会
    〒680−0851 鳥取市大杙26 土井淑平気付
    (TEL・FAX) 0857−27−7369
(代表・土井)
    (携帯)    080 -4262
-9606(事務局長・西尾雄二)
    (Eメール)  manager@osaki-midori.gr.jp

 前売り券・ツアー参加を申し込まれる方は、氏名・住所・電話番号・
メールアドレスを明記のうえ、上記の連絡先orEメール・アドレスに連
絡して下さい。折り返しチケット・郵便払込用紙・資料をお届けします。