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「第七官界彷徨」復刻連載に寄せて
 
『日本海新聞』に「第七官界彷徨」復刻連載
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Osaki Midori Forum in Tottori

         =寄稿=

 尾崎翠「第七官界彷徨」

                  の復刻連載に寄せて

 

 きょうから始まった『日本海新聞』の「第七官界彷徨」の復刻
連載に寄せて、尾崎翠フォーラム実行委員会代表の土井淑平
が同紙の文化面に以下の寄稿をしましたので紹介します。
                           2010年10月15日

 尾崎翠「第七官界彷徨」 きょうから復刻連載
          本紙くらし面で
        「不思議の国の町子」
       夢とうつつの世界楽しんで

 きょうから本紙くらし面で尾崎翠の代表作 「 第七官界彷徨 」
の復刻連載が始まる。この小説は一九三一年(昭和六)に発表
されながら、尾崎翠の突然の帰郷と断筆によって、 長くまぼ
ろしの傑作≠ニ呼ばれてきた作品である。
 近年、 全集・文庫の刊行や作品の映画化などを通して、 尾
崎翠の再評価が定着してきたなかで、その代表作が連載小説
の形式で地元紙に復刻連載されるのは、 日本の近代文学史
にも例を見ない文学史的事件である。
 登場人物は、炊事係りをつとめるちぢれた赤毛の小野町子(
詩人志望)。 美しい女性の患者を同僚の医師と取り合う長兄の
一助 (精神科医)。 異臭を放つこやしと土鍋を部屋に持ち込ん
で蘇 (こけ) の恋愛の研究に没頭する次兄の二助 ( 農学徒 )。
音程のおかしい古ピアノで コミックオペラを歌う 従兄弟の三五
郎(音楽受験生)。
 小説は田舎から上京して一軒の廃屋で暮らすこれら兄妹と従
兄弟が、 こっけいで哀感にみちた会話を交わしながら展開する
風変わりな物語りだ。それぞれ片恋や失恋に悩むうらびれた登
場人物たちを尻目に、 ひとり蘇だけが堂々と恋愛を謳歌する設
定も面白い。
 夢と現実、過去と現在、都会と田舎 ― といった異質な世界を
自在に行き来し、 どこか懐かしくてモダンな ― というよりも、夢
がそのまま現実であるような超モダンの世界である。
 「尾崎翠は難解だ」との声をよく聞くが、それは夢の不条理に
通じる。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を思い起こし
てもらいたい。ウサギを追って穴に飛び込んだアリスの前に、背
が伸びたり縮んだり、大小や遠近が逆転したり、 常識的な脈絡
や固定的な観念を超えて、夢うつつの奇妙な冒険の世界が突如
開けたように、「第七官界彷徨」を手に取る読者は、 日本版 「不
思議の国の町子」の不思議な世界に足を踏み入れることだろう。
  尾崎翠はストーリーを順々にたどるような単調な自然主義文
学を脱し、精神分析学や表現主義、映画のモンタージュや絵画
のコラージュ、 といった当時最先端の思潮や技法を取り入れて、
詩にも比すべき凝縮と飛躍の前人未踏の小説を編み出した。
 本紙に復刻連載の「第七官界彷徨」は、 KEiKO*萬桂さんの
魅惑的な挿絵とともに、その一コマ一コマが相対的に独立した
散文詩や諷刺画のようにも読めるので、 かりに読み落とした日
があってもこだわらず前に進んでほしい。
 挿絵の萬桂さんは兵庫県豊岡市の美術作家で、一昨年から
海を望む岩美町の大羽尾にアトリエを移し、 山陰の風土を背景
に墨を基調とした抽象画で活躍中。 今回のさし絵で初めて版画
の技法を取り入れ、 佐治の手すき和紙にういういしくもキュンと
くる、おしゃれで超モダンな雰囲気の絵を刻み込んだ。
 きようから日本海新聞の復刻連載で、「尾崎翠 & KEiKO*萬
桂」のコラボレーションの世界を、存分に楽しんでもらえたらと願
っている。
      
 (尾崎翠フォーラム実行委員会代表・土井淑平)