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資料

Osaki Midori Forum in Tottori

 

◆ オークションにかけられた
         尾崎翠の流出書簡 (その1) ◆

 

   尾崎翠の書簡流出について

        2011年5月31日
              尾崎翠フォーラム実行委員会
                       代表 土井淑平

 

          小林喬樹さん宛て尾崎翠書簡

     書簡の日付  収録されている全集       記 事
 1964年(昭和39年)
      4月18日
  創樹社、および
  筑摩書房の両方
 流出
 鳥取県立図書館所蔵
 1964年(昭和39年)
      10月5日
       〃  
 1966年(昭和41年) 
       6月2日
               〃  
 1966年(昭和41年)
       7月9日
       〃  流出
 鳥取県立図書館所蔵
  1966年(昭和41年)
      9月12日
       〃  流出
 ヤフーオークション出品
  1966年(昭和41年)
      10月7日
       〃  
  1966年(昭和41年)
      11月4日
       〃  
  1969年(昭和44年)
      4月28日
  筑摩書房だけ  


 ことし2月下旬、 尾崎翠の書簡がヤフーのオークションに
かけられれている、との情報が複数の尾崎翠研究者からわ
たしのもとに寄せられた。
 さっそく鳥取県立図書館学芸員の渡邊仁美さんに確かめて
もらったところ、「筑摩版全集の下巻P207〜208に掲載の小林
喬樹宛封書(昭和41年9月12日付)だと思います」 との返事と
ともに、「当館で所蔵している小林喬樹宛書簡 ( 全集既収録、
昭和39年4月19日付、昭和41年7月9日付)も古書店から購入
したもので、全集に掲載された資料がその後返却されずに流
出してしまったのでしょうか」と付記されていた。
 わたしは書簡の本来の所有者である小林喬樹さんに連絡を
取り事実経過を問い合わせた。 その結果、小林さんからオー
クションにかけられている書簡は、 「 確かに私宛の書簡に間
違いありません」「ヤフオクだけでなく、 古書店経由で鳥取図
書館にも流れていたとは驚きました」との回答であった。 小林
さんからは尾崎翠全集の編集者の稲垣眞美氏に手渡したまま、
いまだ返却されていない書簡のリストもいただいた。
(上記の
「小林喬樹さん宛て尾崎翠書簡」を参照)

 この事実を オークションの情報を寄せてくれた 中村恵一さ
んに伝えると、不正に流出した尾崎翠の書簡が他人の手に
渡るのは忍びない、身銭を切ってでもオークションに応募して
書簡を取り戻し、 本来の所有者である小林さんに返さないと
いけない、 と中村さんの自己責任で応募の手続きに入った。
その経過と顛末は、中村さんの「尾崎翠の流出書簡を追って
― ヤフーオークション始末記」にくわしいので参照していただ
きたいが、どうやら出品者は確信犯だったようで、中村さんを
ブラックリストに登録しオークションの入札から締め出したので
ある。
 わたしはオークションのあと鳥取県立図書館を訪ね、 図書
館所蔵の2点の書簡の入手先を問い合わせたところ、入手先
は東京都千代田区神田神保町の「けやき書店」で受け入れ日
は2006年(平成18)年3月3日、 購入金額は1964年 (昭和39)
4月19日封書(便箋4枚)は21万円、1966年(昭和41)7月9日
封書(便箋2枚)は10万5000円とのことであった。
 なお、最初の書簡の日付は封筒裏の発信者として尾崎翠の
自筆で4月19日とあり、 封筒の中味の手紙にはやはり翠の自
筆で4月18日の日付が入っているが、全集の編集者は後者の
4月18日を採用したと思われる。
 さて、 問題はオークションにかけられた尾崎翠の書簡も鳥
取県立図書館が購入した書簡も、もともと本来の所有者であ
る小林さんのところに返却されるべきものが返却されず、 不
正に流出して売買されたという事実である。 つまり、 法的に
は盗品の売買に相当し、 争えば刑事事件になるということで
ある。事実、この問題に関心を寄せる尾崎翠研究者の1人から
、かつてある漫画家の行方不明になった作品が ヤフーのオー
クションにかけられ、 本人が警察に相談したら 警察が出品者
に交渉して 無事手元に帰ってきた、 という具体的な事例の情
報も寄せられている。
 不正に流出した尾崎翠の書簡2点をそれと知らず古書店から
正規の売買で購入した図書館の所蔵物について、鳥取県立図
書館は4月21日と5月6日、本来の所有者の小林さんにそれぞれ
公文書で書簡2点の入手の経緯を説明し、「不正流出が事実で
あれば、道義的・法的にはもちろん、貴重な文化財を守る上でも
許されないこと」と遺憾の意を表するとともに、あらためて図書館
所蔵のものの取り扱いについて小林さんの意向をたずねた。
  小林さんは鳥取県立図書館が所蔵するものは「図書館という
公共の場に置いて保存閲覧するのが妥当」とのお考えを持って
おられ、 5月15日の鳥取県立図書館長への 「承諾書」で、 図
書館が引き続き上記の書簡2点を所蔵し一般の利用に供するこ
とに同意された。
 わたしたちとしては、全集編集のため稲垣眞美氏に託した小
林喬樹さんの書簡が首尾よく返還されるかどうか見守るしかな
いが、 それらの書簡が古書店で売買されたりオークションにか
けられるとしたら、 どんな経緯にせよ事実としてそれは 不正流
出による盗品売買に相当するので、そのような不正な盗品の売
買は許されないと考える。
 本来、これら書簡はすべて本来の所有者である小林喬樹さん
の手元に返されるのが筋である。むろん、今回の鳥取県立図書
館のように結果的に不正流出による盗品売買のものと分かった
時点で、 当の小林さんの意向を確認のうえ次善の策を講じるケ
ースもあり得るだろう。 今後とも尾崎翠の書簡や生原稿が 古書
店で売買されたり、オークションにかけられるなどの動きがあった
ら、尾崎翠フォーラム実行委員会にもひと声かけていただけたら
幸いである。