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書籍紹介

Osaki Midori Forum in Tottor

 

                                =書評=
 
          日出山陽子著

 『尾崎翠への旅 
        − 本と雑誌の迷路のなかで −

          (小学館スクウェア、2009年9月刊) 

 

 

 『日本海新聞』(2009 年10月4日)に掲載された佐々木孝文さ
んの書評を紹介します。

 

   尾崎翠への新たなかけ橋

         佐々木孝文(尾崎翠フォーラム実行委員)


 宝石のように美しい装丁が目をひく本書は、現在の尾崎翠研究
隆盛の礎を築いた研究者の一人、日出山陽子氏の労作である。
 著者日出山氏は、作品や関係資料の調査に昭和五十年代から
取り組まれ、稲垣眞美氏が創樹社版『尾崎翠全集』を編纂した際
にも大きく貢献した研究者である。翠の親友であった松下文子氏
からの直接の聞き取りなども含め、著者の存在がなければ、私た
ちが尾崎翠について知り得ることは、はるかに乏しいものになった
はずである。
 既に伝説的な存在であった著者に、私が初めてお目にかかった
のは、平成一七年七月の 「 尾崎翠フォーラム 」 でのことだった。
当日のフォーラム運営に追われていた私に、参加されていた研究
者の一人が「日出山陽子さんが来られていますよ! 」 と耳打ちし
てくれた時のことを、 今でも昨日のことのように思い出す 。 当時
は、まさか直接お目にかかれる日が来ようとは夢にも思っていな
かったので、驚愕したことを覚えている。
 本書によれば、著者は 「 この(フォーラムへの) 参加を最後に
(尾崎翠研究に)サヨナラしようと決意」していた。しかし、結果的に
は、このフォーラムでの、土井淑平代表や浜野佐知監督をはじめ
とする研究者との出会いが、本書につながる研究再開のきっかけ
になった(実際、本書には一部『尾崎翠フォーラム報告集』に掲載
された論考が含まれている)という。尾崎翠に関わる者の熱意が 、
著者を研究の場に呼び戻したのであるとすれば、 フォーラムの実
行委員の一人として誇らしい。
 本書は、そうして再始動した著者の、 尾崎翠研究の広がり、 深
化を明確に示す珠玉の論考集である。尾崎翠という作家の実像を、
本書によってより鮮明に理解することができる。 雑誌広告や、 高
橋丈雄や林芙美子、太田洋子ら他の人物の尾崎翠に関する言及、
新聞記事まで、調査範囲は非常に広汎に及んでおり、 しかも個々
の記述を丁寧に読み解いている。私たちがぼんやりと可能性を考
えていたような事柄さえも、実証的に追求されている点には、地元
の研究者の一人として脱帽するほかない。
 また、これらの研究には、著者が研究を休止されていた間に、故
・塚本靖代氏によって作成され、映画「第七官界彷徨」の脚本家 ・
山崎邦紀氏によって公開されたデータベース「尾崎翠参考文献目
録」の成果も参照されている。本書冒頭で著者は「尾崎翠に出会う
旅の中で」「架けられなかったたくさんの橋」があり、誰かが「新たな
橋をかけてくださったら」という願いを記しているが、その意味では、
本書もまた「新たな橋」そのものであるといえるだろう。
 しかし、後進の研究者が、本書以上の「新たな橋」を架けることは、
少なくとも、簡単なことではない。

 

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