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書籍紹介

Osaki Midori Forum in Tottor

 

                              =新刊案内= 
                         2010年9月10日刊行


           
尾崎翠原案/津原泰水著

    『琉璃玉の耳輪』

         (河出書房新社、本体1700円)

          

 

          著者よりのメール

 土井様
  『琉璃玉の耳輪』、昨夜、早々に重版が決定致しました。
 凄まじいペースです。ついに尾崎翠に時代が追い着いた ――
 その瞬間に立ち会えた歓びを、噛みしめています。
  翠さんが日本を代表する女流作家の一人として、永々と読み
 継がれるのは間違いありません。
  長年にわたるフォーラムの御苦心、開花です。
               
2010年9月23日 津原泰水

  津原泰水さんの新著によせて
   津原泰水さんが尾崎翠の映画脚本「琉璃玉の耳輪」を原案に、
 その翻案小説『琉璃玉の耳輪』を構想されたのは、わたしたちの
 尾崎翠フォーラム立ち上げとほぼ同時期の10年前と承りました。
  わたしはかねてより、 尾崎翠の代表3作を 「第七官界彷徨」
 「映画漫想」「琉璃玉の耳輪」と考えてきただけに、その「琉璃玉
 の耳輪」を現代によみがえらせた津原さんのお仕事に、感謝申し
 上げたい。
  これを機に、尾崎翠の作品が新たな読者に広く読まれることを
 願ってやみません。
               
2010年9月24日 土井淑平記 

 

 『日本海新聞』(2010年10月24日)に掲載された森澤夕子さんの
書評を以下に示します。

                =書評=

    生まれ変わった翠の異色作

                          森澤夕子

 北見隆氏の装画が秀逸な表紙カバーを取り外すと現れるのは、
不吉なほど大きな月が浮かぶ、横浜・南京町の夜。この小説は、
まるで夜に支配されているかのようだ。
 尾崎翠が映画用脚本「琉璃玉の耳輪」を著したのは、 今から
八十余年前の昭和二年のことだった。残念ながら完成度は決し
て高くなかったこの作品を、 津原泰水氏は辻褄が合うよう整え、
肉付けし、また大胆な改変を加えて、現代に生まれ変わらせた。
 舞台は昭和三年。うら若き女探偵・明子の元に、 奇妙な依頼
が舞い込んだことから、物語は動き出す。 素性を隠した謎めい
た貴婦人の依頼は、ある中国人の三姉妹を探すことだった。 し
かしその手がかりは、瑶(よう)子・エイ子
(注)・e(しゅう)子とい
う三人の名前と年齢、そして三人の左耳につけられた、 琉璃玉
の耳輪のみ。
「この三人を探して、一年後の今夜−−四月十五日の一夜、丸
の内ホテル西館の十五番室に連れてきてください 」 …… この
夜から、一年に及ぶ明子の奔走が始まった。
 いわくありげな金髪の売笑婦に、 自分の意志を持たない人形
のような美少女。浅草をねじろに荒稼ぎする、 手練れの女掏摸
(すり)。 愛する女の名前を義眼に彫り込んだ女芸人。 暗躍す
る謎の貴婦人と、伝説の名探偵の結託。三姉妹をつけ狙う、変
態性欲の男・山崎との対決。そして世紀の大発見の悪用を企む
黒幕との、蒼(あお)白い月夜の死闘……。
 毒々しいまでにあざやかな物語世界において、 重要な鍵とな
るのは「多重人格の探偵」という明子の人物設定である。 自分
の中にいくつもの仮想人格を持つ明子は、時に彼らに肉体まで
も奪われそうになる危うい存在だ。
 だが、一連の事件に悩み傷ついて、人間の暗部を別人格の形
で露呈する彼女は、 一点の曇りもない聖女のような女性よりも、
はるかにこの作品の探偵役にふさわしい。 そう、これは彼女の
成長物語でもあるのだ。
 小説の中盤以降は、津原氏の創作部分が大半を占める。 原
案を凌ぐほどの奇想天外な展開に、目をむく尾崎翠ファンも多か
ろう。 逆にこの小説から翠に興味を持った読者は、  「第七官界
彷徨」「歩行」などに代表される、 硬質なユーモアと哀感の漂う翠
本来の作風に、戸惑いを感じるかもしれない。
 しかし、翠の愛読者の一人としては、こうした形で彼女の作品が
見直されることを、素直に喜びたいと思う。
 さあ、めくるめく夜の世界に、ようこそ。

                            (文学研究者)

(注)エイ子(漢字)の活字がないので、カタカナで示します。尾崎翠
の原作、ないしは、津原泰水氏の著書を参照して下さい。