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Osaki Midori Forum in Tottor

 

                           =書評(その2)= 

 『尾崎翠フォーラム in 鳥取2007 報告集』

                尾崎翠フォーラム実行委員会
                           2007年12月発行

 『日本海新聞』(2008 年2月3日)に掲載された岡村洋次さんの
『尾崎翠フォーラム・in・鳥取2006報告集』の書評を紹介します。



    山下清三氏の心に響いた鎮魂歌            
                 
                 
 岡村洋次


 先月鳥取市で「尾崎放哉を語る」講演会があった。講師はドイツ文
学者でエッセイストの池内紀氏。現代に生きる放哉俳句の新しい視
点は興味深かった。講演の中で池内氏は、「主催者からこのイベント
が四回目と聞いたが、五十四回の間違いではないかと思った」と語
った。
 自由律俳人としての評価は師の荻原井泉水をしのぐ放哉が、没後
八十二年たった今でも、出身地鳥取で、「知る会」を作らなければなら
ないことへの驚きと、地元はなにをしているのかとの叱咤の言葉と受
け止めた。
 同じく鳥取の文学史に光彩を放つ尾崎翠。翠フォーラムは今年八
回目を迎える。やはり、まだ八回というべきだろう。昨年夏開かれた
尾崎翠フォーラムの報告集が手元に届いた。
 今号を手にして一番の収穫は、教育者、詩人で文芸評論の分野で
も活躍された山下清三氏が昭和五十二年に、日本海新聞文化欄に
十九回にわたって連載した「尾崎翠のレクイエム」の再録である。
  「レクイエム」では、女学校・日本女子大時代、林芙美子とのかか
わりやチャップリン、チエホフなどの文学的影響を論じ、代表作「第
七官界彷徨」についても分析、論評をしている。
  「…町子は、第七官界なるものを次のように考える。ということは、
翠自身の考えということにもなるのだが」「それは、自覚された第一
心理と、非自覚の第二心理の抗争が生み出す、空漠たる世界、霧
のかかったような広々とした心理界ではないかということである」
 「『第七官界彷徨』は、散文詩に近い作品である。彼女の本質は散
文よりも詩にあったのではなかったかとさえ思われる」 「私は『第七
官界彷徨』は、チエホフの『六号室』を下敷きとした作品ではないか
と、考える」等々。
 「レクイエム」で山下氏は、東京から鳥取に引き戻されて一年ほど
たった一九三四(昭和九)年十月、鳥取の詩同人の遺稿集のため
に翠が書いた文章を紹介している。
 「…氏の詩篇は、空気以上の印象を残さないであろう。しかし、そ
れはそれでいい。この線の細い空気の中に、人はさくさくとわびしい
雪の音を聴き、雨の色あいを感ずるであろう。それでいい。私もまた
山陰に生まれた人間として、手法上寡欲であったこの詩人の境地に
一縷(いちる)の共感を禁じ得ないのである(尾崎翠)」
 翠の鳥取の下宿に一度訪ねたことがあるという山下氏は、「しみじ
みと心にこたえる文章である。…これをここに筆写したのは、私の、
尾崎翠に対するレクイエムの気持ちからでもある」と記す。
 帰鳥後雑誌などに一切文章を発表しなかった翠の貴重な原稿だ。
スポットライトを浴びることの一切なかった地方の無名の一詩人へ
の鎮魂歌が、翠自身への鎮魂歌として山下氏の心に響いたのだろ
う。
 今号では「林芙美子が描く尾崎翠」(日出山陽子氏)「最初の『尾
崎翠全集』を出版した頃のことども」(玉井五一氏)なども興味深い。
 翠の作品を心理学の「転移と模倣」という言葉を使って読み解いた
近藤裕子東京女子大准教授の講演再録、八十三年ぶりに国内上
映となった無声映画「サロメ」の弁士、澤登翠さんの寄稿など、当日
の会場の熱気をよみがえらせる。
 作家・尾崎翠は作品が独り歩きを始めた。土井淑平代表をはじめ
とする実行委員会の方々の継続への努力、これまでの取り組みを
称えたい。

                        (新日本海新聞本社)

【編註】故・山下清三氏(1907〜1991)は詩人・作家・評論家として
鳥取で文学活動を展開。著書に『鳥取の文学山脈』『文学の虹立
つ道』(今井書店)、『日本の鬼ども』『日本のおばけ』(けやき書房)
など。
  「尾崎翠フォーラムin鳥取2007」報告集に収録した山下清三
氏の「尾崎翠のレクイエム」には、山下氏が鳥取の文学仲間の杉
森留三氏と尾崎翠を直接訪問した貴重な話も出てくる。

 「尾崎翠フォーラムin鳥取2007」報告集はA4判、76ページ、頒
価1200円。今井書店、定有堂書店、横山書店、やまびこ館、岩美
町観光協会で取り扱っている。直接注文・問合せは以下まで。

(発行人) 尾崎翠フォーラム実行委員会
(直接注文・問合せ先) 〒680−0851 鳥取市大杙26 
                                               土井淑平気付
                          尾崎翠フォーラム実行委員会
(TEL/FAX)0857−27−7369
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