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今年のフォーラム

Osaki Midori Forum in Tottori

 

        =5周年記念特別上映=

◆『第七官界彷徨ー尾崎翠を探して』

        〜浜野佐知監督〜

     

 

        映画『第七官界彷徨ー尾崎翠を探して』


 
 ◇上映日 2005年7月10日(日)
        14:00〜 トーク(浜野佐知×本城美佐子)
        14:15〜 映画上映
  ◇場 所 鳥取県立県民文化会館(第1会議室)


   
あなたの翠を探してみませんか?

                                    長谷善幸


 今年の「尾崎翠フォーラムin鳥取2005」では、5周年を記念して映画『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』(1998年)を特別上映します。
 この映画は、浜野佐知監督にとって一般映画の記念すべき第1作目となりますが、私達にとっても、第1回目のフォーラム開催にあたり大きな原動力となりました。何度も観たという生粋の翠リスト(?)もいらっしゃれば、残念ながらまだ観ていないという方もいらっしゃると思います。そこで、翠初心者の方に少しご紹介したいと思います。

 映画は、同性愛者が多く集うパーティーの場面からスタート。会場の片隅で語り合う二人の若い女性。ふと気付くと、テレビモニターから不思議な映像が流れてきます。
 1971(昭和46)年、74歳で死去する翠から東京・落合で小説を書いていた30歳の翠まで、40年以上の歳月を遡りながら翠の過去を映し出します。そして同時並行的に展開されていく『第七官界彷徨』の世界。「現在」と「過去」と「『第七官界彷徨』の世界」とを繋ぐモニターだったのです。
 パーティー会場では、参加者たちが次々とモニターの前に集まってきます。そして、最後に起こる「翠コール」と「町子コール」。モニターには鳥取砂丘を登るモダンガール・翠たちの姿が。雄大な日本海と鳥取砂丘をバックにラストシーンを迎えます。

 この映画を決定的に印象付けているのが、主役翠を演じた白石加代子さんです。翠役を誰にするのか、悩んでいる時に廊下ですれ違った一人の女性。「尾崎翠だ」と直感した浜野監督は、直ちに追いかけて出演交渉。「私は舞台女優ですから」と断わる白石さんを、何度も訪ね口説いたそうです。映画では、自ら筆を折り、自分らしく生きようとした翠の姿が、見事に蘇っています。まさに「運命的なキャスティング」(浜野監督談)です。

 私のお気に入りのシーンを一つ。1948(昭和23)年。51歳の翠が、東京から訪ねてきた親友文子と共に岩美町を散策し、海岸で一緒にお弁当を食べています。
 文子「文学を止めたことを後悔していない?」
 翠「文学なんていろいろある人間の生活の一つ。その人間だって宇宙から見たら小さなものよ。」と闊達に笑う姿が印象に残っています。
 ここにいるのは、一部で語られていた「運命に翻弄された悲劇的な女流作家」ではなく、紛れもなく「自らの意思で筆を折ること(黄金の沈黙)を選択し、激動の時代を自分らしく生きてきた一人の力強い女性」・翠です。

 そしてもう一人。第7官界彷徨で小野町子を演じた柳愛里さん。「私はひとつ、人間の第7官に響くような詩を書いてやりましょう。」と自分の周りに不思議な空間・時間を醸し出し、小説の中の町子を映画の中に実在させています。

 映画では、インタビュー形式で二人の女性作家が特別出演しています。そのお一人、加藤幸子さんは蘚の恋愛・繁殖様式から解説し、「第七官界彷徨には霧のイメージがある。エロスの霧が。」と語っています。私は、この映画から何か靄のかかった耽美的なものを感じるのですが、私にもエロスの霧がかかっているのでしょうか……。

 浜野監督の初めての著書「女が映画を作るとき」は、もうお読みになりましたか?監督が男性社会であった映画界で映画監督を目指し、今日にいたるまでの記録・想いが綴られていますが、注目は第2章。「『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』」と題してこの映画を製作・監督する過程が描かれています。
 30年にわたって撮り続けてきた300本のピンク映画が、日本映画界の中では全くカウントされていなかったことに愕然となる浜野監督。
 生涯に一本きりでいい、真に撮りたいものを撮りたい、自分自身の存在を証明したい、と一般映画に取り組む決意をした時に出会ったのが尾崎翠。『第七官界彷徨』を読み進むにつれて溢れるように湧き上がってくる映像。迷わずに映画化を決意していたそうです。それから始まる翠探し。
 鳥取での現地取材や女性作家・研究者たちのバックアップ。最初の全集編者I氏との対立。そして鳥取でのクランク・インの様子など撮影秘話を交えて語られています。しかし、それだけではなく、一般的に難解で取っ付きにくいと言われている尾崎翠を、同性の立場から親しみの持てる女性として分かりやすく説いています。映画ファンのみならず、翠初心者の方にも広くお薦めしたい1冊です。

 実は、私もこれまでこの映画を観る機会を逃していました。ビデオでしか観たことがないので、今からとても楽しみにしています。ビデオは所詮ビデオ。決して映画ではありません。あなたも翠を探してみませんか?


●映画『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』

−キャスト−

【尾崎翠を探して】
 白石加代子 吉行和子 原田大二郎 宮下順子 白川和子 
 横山通代 石川真希 下元史朗 中満誠治 沢村一間 
 本城美佐子 前田翠
【第七官界彷徨】
 柳愛里 室井誠明 野村良介 井筒森介 佐藤一平
 外波山文明 吉行由美 丸山明日果 野上正義 内海桂子
 (特別出演)
【現代】
 岡本あつこ 響まりあ 加藤幸子 矢川澄子

−原作−

  尾崎翠『第七官界彷徨』(尾崎翠全集・創樹社刊)

−製作−

  株式会社 旦々舎/『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』製作
 委員会
 企画:鈴木佐知子 脚本:山崎邦紀 撮影:田中譲二 
 照明:上妻敏厚 美術:奥津徹夫 デザイン:星埜恵子
 録音:小関孝 整音:杉山篤 音楽:吉岡しげ美
 編集:門司康子 助監督:坂口慎一郎 製作:松岡誠
 ヘアメイク:小林照子 大川大作 馬場明子
 デザイン:藍野純治 スチール:岡崎一隆

−製作協力−

  鳥取県/鳥取県岩美町/倉吉市
 映画『第七官界彷徨−尾崎翠を探して』を支援する会(東京・
 鳥取)

−助成−

  日本芸術文化振興基金助成事業
 (財)東京女性財団助成作品


●上映記録

  国内各地のほか、ドイツのドルトムント、ベルリン、エジプトのアレキサンドリア、米国のピッツバーグ、ニューヨーク、ユタ州、コロラド、フロリダ、フランスのクレティーユ、パリ、韓国のソウル、台湾などで上映し、好評を博す。



※旦々舎の連絡先は以下の通りです。
 この映画についてのくわしい情報はそちらでご覧下さい。

株式会社 旦々舎
〒156-0052 東京都世田谷区経堂3-24-1
TEL.03-3426-0820
FAX.03-3426-1522
http://www.h3.dion.ne.jp/~tantan-s/